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2023.06.05

“自伐型林業”という選択肢

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このコラムでは、ここ恵那市の中野方町の自然や森にまつわることなどを幅広く発信していきたいと思います。

今回は、“自伐型林業という生き方”と題してお送りします。

最近林業と直接関係のないメディアなどでも取り上げられることの多くなった“自伐型林業”。

とはいえ、はじめて聞く方もまだまだ多いのではないでしょうか。

その前に、、、みなさんは「林業」と聞くとどんなイメージが浮かびますか?

危ない、ハード、斜陽産業、肉体労働、古い・・・ などあまり良いイメージのない方も多いかもしれません。

確かに危険を伴うシゴトであり、肉体的に厳しい場面も避けられないという実状に加え、木材需要が減ってきたという時代背景もあって林業従事者は毎年減り続けています。

しかし、意外に思われる方も多いかもしれませんが、少子化によって全産業で若者の就業率が下がっている中で、林業の若者就業率は上がってきているのです。

やりがいのある仕事をしたい、自然を相手にする仕事をしたいという若者が増えていることに加え、

林業の服装や道具がスタイリッシュになってきたことも林業のイメージをUPさせているのかもしれませんね。

さて、それはともかく若い人の増えている林業界においての新しい潮流のひとつに“自伐型林業”があります。

何トンもの大型機械を使ったり、幅員の広い作業道を開設していく大規模林業に対して、自伐型林業では小型で最小限の機械を使い、幅員も狭い道づくりをする小さな林業です。

大規模林業では、大型の高性能機械(1台数千万!!)を投入するため、非常にコストがかかります。そのコストを吸収し、かつ利益を上げていくためには、集約的かつ効率的に伐採をしなければなりません。

しかしその副作用もあります。 自然環境は急激な変化を好みませんから、過度な伐採は環境に大きな負荷がかかったり、土砂災害の原因になることもあります。

その点、自伐型林業は極力自然に負荷をかけずに進める林業形態です。3トンクラスの小さなバックホー(ショベルカー)、チェーンソー、木材の運搬車があればおよそ作業を進められます。そのため多くの伐採をしなくても採算を合わせていくことが可能となります。

昨今は自分の稼ぎも大事だけど、地球環境に配慮したモノやサービスを生み出したいという思いを持った若者が、生き方として“自伐型林業”を選択していると言えるのではないでしょうか。

これからもこのコラムでは、引き続き“自伐型林業”の可能性についてたびたび取り上げて掘り下げていきたいと思います。

                               “森と生きる” 編集部 ナガエ

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